12月7日(土)「舘野泉ピアノリサイタル」開催まで、いよいよ公演間近となりました!
舘野さんから、本日メッセージが届きましたので、早速ご紹介させていただきます。
佐世保初開催となる左手のピアニスト 舘野泉さんの演奏会を、多くのお客様にお楽しみいただきたいと思います!
公演情報はこちらからご確認ください→http://arkassasebo.sakura.ne.jp/arkas.or.jp/wp_arkas/?p=17283&cat26_12
「佐世保で演奏する作品について」
私が演奏家として初めて佐世保を訪れたのは東京芸大を卒業した翌年で1961年ですから、もう52年も前になります。初めて訪れた九州の海の青さと明るさをよく覚えています。その後も何度か訪れていると思いますが、記憶に一番強く残っているのは最初の訪問ですね。自然の豊かな感じが素晴らしいと思いました。
今回演奏させていただくのはバッハとスクリャービンの名曲を除いてはみな邦人作品です。それも2011年以後に作曲されたものばかりですから、馴染みがないのは当然かもしれませんね。でもどれも素晴らしいものばかりですし、時を経ればいつかは名曲と讃えられるものですから、現代音楽は苦手だと思わないで聴いてください。
今回の曲目中、よく知られたものとしては昨年のNHK大河ドラマ「平清盛」のために吉松隆さんが作曲した2曲がありますが、同じ侍でも熊本の作曲家、光永浩一郎さんの「サムライ」は精神的な内容の濃い作品です。吉松さんと光永さんの二曲は来年6月25日ベルリンでのリサイタルでも演奏することになっています。
また、若い関西の作曲家平野一郎さんの「微笑ノ樹—円空に倣える十一面」は、いまから360年ほど前に生き、まだ日本人には未踏の地であった蝦夷地(北海道)までも渡って仏像の制作をした、ある意味で破天荒な仏師円空にインスピレーションを得た作品です。左手一本で演奏するのに、両手で弾くよりも多彩な表現を行っている独創性にも注目すべきでしょう。長大な絵巻のような作品です。是非聴いていただきたいと思っております。
皆さんと佐世保でお会いするのを楽しみにしております!
舘野 泉